医療は、医学や薬学の進歩とともに高度で複雑化しています。
医師をはじめ医療スタッフは、患者さんに最善の治療を提供するために、いろいろな職種がチームを組み、連携して治療にあたっています。

この医療チームの一員として医師や看護師とともに臨床の現場に立ち、効果的な薬物治療を行うために活躍している薬剤師(臨床薬剤師)が増えています。
最近では、がん治療での分子標的治療薬など新たな薬剤も登場し、専門領域での最新の知識・技能が薬剤師に求められるようになってきました。

このようにして誕生したのが「専門薬剤師」です。専門薬剤師は、各専門領域の医学や医療の知識、薬物治療の高度な知識と技能を持っている薬のエキスパートです。その医療の場で役立つ最新の薬学的専門情報をつねに医療スタッフに提供し、患者さんへの治療がより効果的で安全に行えるように活躍しています。




現在、専門性が必要とされる 5 つの領域*で誕生しています。

日本病院薬剤師会は専門薬剤師を認定しています。
現在、1:がん、2:感染制御、3:精神科、4:妊婦・授乳婦、5:HIV感染症の 5 つの領域で専門薬剤師が認定されています。
(がん専門薬剤師制度は平成 21 年 11 月 1 日より日本医療薬学会に移管)
また、上述の専門薬剤師の他に、さまざまな学会や認証機構(団体)が認定している認定薬剤師もいます。

・がん専門薬剤師
・精神科専門薬剤師
・HIV感染症専門薬剤師
専門領域の病気を深く理解し、薬の専門知識を生かすとともに、患者さんを取り巻く環境などを考慮して、安全で効果的な薬物治療を推進しています。
・妊婦・授乳婦専門薬剤師
妊娠・授乳期の薬に関する高度な知識と正確な情報収集技術で、母子への薬の影響を考え、医師と連携して母子の健康に貢献しています。
・感染制御専門薬剤師
細菌やウイルスの感染、消毒薬や抗菌薬 に対する高度な知識を持って、患者さんの安全と安心できる治療環境を提供するために幅広く活動しています。


*日本病院薬剤師会認定




専門薬剤師が活躍できる医療現場をめざして


薬剤師教育が変わりました

大学での薬剤師教育は、平成18年4月より6年制になりました。従来の化学に重点が置かれた教育から、さらに病院や薬局での実務実習が必須化され、医療現場に即した教育などが充実されてきています。医師と同様に6年間の教育を経て卒業してきた薬剤師は、従来にも増して患者さんに寄り添った貢献ができるはずです。


専門薬剤師の役割は、チーム医療の中で重要です

現在、医師や看護師不足が叫ばれています。医師が医療のすべてを担うには限界があり、チーム医療の中で医療スタッフがそれぞれ責任を分担する時代がきています。専門薬剤師は、薬のエキスパートです。
例えば、薬物治療の安全と質を確保する上で、血液の中の薬物濃度をモニターしたり、心電図に影響を及ぼす薬剤の使用中には心電図検査をモニターするなど、患者さんの状態を確認し、治療にかかせない情報を集めることもできます。また、抗がん薬の投与設計や用量の増減などについても責任を持って行う能力を備えています。多くの病院では、医師と協力して、がん化学療法の説明を実施しています。薬にかかわることは、薬剤師が責任を持って行っています。


医療をより充実させるために

現在、薬剤師は十分誕生していますが、医療経済環境の厳しさから病院への配置は抑えられ、病院薬剤師の人員が不足しています。そのため、専門資格を取ってもその専門領域に集中できないという現実があります。専門薬剤師にその能力を発揮させるには、薬剤部門の人員の充実も大きな課題です。
今後、より一層の専門薬剤師が活躍できる医療現場になることを願っています。







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