平成21年5月27日
会員 各位
社団法人 日本病院薬剤師会
会長  堀内 龍也


新型インフルエンザの治療・予防投薬における
タミフルドライシロップが不足した場合の対応について



 新型インフルエンザ(A/H1N1)が、国内感染の広がりの様相をみせております。WHOや米国CDC等からの海外情報によると、新型インフルエンザ(A/H1N1)に対しリン酸オセルタミビル(商品名:タミフル)又はザナミビル(商品名:リレンザ)は効果が期待されるが、アマンタジン(商品名:シンメトレル)又はリマンタジンには耐性であるとされています。国内医療機関における新型インフルエンザ(A/H1N1)抗ウイルス薬による治療・予防投薬の流れについては、国立感染症研究所のホームページにガイドラインが掲載されていますので、是非、参考として下さい ※1。
 このような状況において、病院薬剤部及び保険薬局はタミフルやリレンザの備蓄と調剤・交付が求められるものと考えます。供給量が限られる小児用のタミフルドライシロップが医療機関において不足することも想定されます。このような事態においては、薬剤師の職能を発揮し、タミフルカプセルを脱カプセルして賦形剤を加えて調剤・交付することが必要になることも予想されますので、調剤方法の参考例を示します。
 タミフルカプセルを脱カプセルした場合、オセルタミビルは大変苦いので小さな子供に飲ませるには工夫が必要であり、乳糖や砂糖を加える、あるいはジュースにとかして飲ませるなどの説明を充分に親などにする必要があります。オセルタミビルは、薬物の代謝酵素であるチトクロームP450(CYP)で代謝されませんし、CYPの活性にも影響を与えませんので用時にジュースなどに懸濁させて飲ませることも可能です。

調剤方法の参考例
 タミフルカプセル75mg(1カプセル中オセルタミビルとして75mg含有。全量は165mg)4カプセル(300mg含有)からカプセルを外し、タミフルドライシロップ3%と同一含量になるよう乳糖で賦形し、1g中にオセルタミビルとして30mg含有する散剤を予製する。
 体重に準じて2mg/kgになるよう分包する。
 (仮に30mg/gの散剤10gを予製する場合(幼少児には1回2mg/kg体重、1日2回投与するので、15kgの患児の5日分に相当)は、タミフルカプセル75、4カプセルを外し、カプセル中の散剤に全量が10gとなるよう乳糖で賦形する。この散剤を1gづつ分包する。)

 なお、上記のとおり、用法用量については、タミフルドライシロップで承認されている用量となる分量で調剤することが基本ですので、ご留意ください。

 なお、この取扱いについての医療保険の適用については、平成21年5月26日付の厚生労働省保険局医療課の事務連絡「新型インフルエンザに関連する診療報酬の取扱いについて」をご覧下さい。 ※2

医薬品副作用被害救済制度においては、医薬品を適正に使用した場合に起こる健康被害を救済の対象としているため、添付文書の記載事項のみならず、国・自治体等の指針及び指導も考慮されるものと聞いています。当会の本ガイダンスも参考になるものと思います。


※1)感染症情報センターの「国内医療機関における新型インフルエンザ(A/H1N1)抗ウイルス薬による治療 ・予防投薬の流れ Ver.2」
http://idsc.nih.go.jp/disease/swine_influenza/2009idsc/antiviral2.html

※2)「新型インフルエンザに関連する診療報酬の取扱いについて」(事務連絡)
http://www.mhlw.go.jp/kinkyu/kenkou/influenza/hourei/2009/05/dl/info0527-01.pdf





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