就任にあたって

日本病院薬剤師会
会長 木平 健治

 この度,平成28年7月1日より北田光一会長の後任として日本病院薬剤師会(以下,日病薬)の会長に就任致しました。本会の会長を務めることを光栄に思うと同時に,会員の皆様の期待を背に受ける責任の重さを感じているところでございます。微力ながら全力で日病薬の発展に尽くす決意でおりますので,改めて会員の皆様のご支援とご協力をお願い申し上げます。

 薬剤師は病棟活動のみならず,処方監査,調剤,製剤などの薬物療法の根幹をなす業務はもとより,最新の医薬品情報の収集と提供,薬物血中濃度モニタリング(therapeutic drug monitoring:TDM)などによる投与量の最適化と副作用防止,注射剤の無菌調製,特にがん化学療法や緩和医療における麻薬の適正使用においてなど,医薬品の安全性・有効性確保における薬剤師の役割は,大きく広がりをもつようになり,加えて,院内感染制御チーム(infection control team:ICT),栄養サポートチーム(nutrition support team:NST)などの医療チームにおける活躍の場にも広がっています。

 1988年に入院技術基本料として認められた現在の薬剤管理指導料も,薬物療法の安全性・有効性に貢献するための地道な活動を積み重ね,その結果診療報酬額は次第に増点され,さらには平成24年,薬剤管理指導料に加えて病棟薬剤業務実施加算として病院薬剤師の病棟活動が高く評価されました。次いで,平成26年には療養・精神病棟の4週間の制限が8週に延長されました。そして,28年度の診療報酬では,集中治療室(intensive care unit:ICU)への薬剤師の配置が評価されました。これは,チーム医療の担い手としての薬剤師の活動が,薬物療法の有効性と安全性に不可欠であることを認めていただいた結果と言えます。

 このように,医療のなかで薬剤師に対する期待が高まっていることは,薬剤師に薬の専門職としての資質向上のための不断の研鑽が求められているということを意味しています。これを支援する観点からも,日病薬の生涯研修事業や専門薬剤師・認定薬剤師の制度は重要な事業と考えており,一層の充実を図る必要があると考えています。

 一方では,2025年問題と関係して地域包括ケアシステムが構築されていくなかで,病院の機能・規模・地域性などにより,病院薬剤師の役割も多様化すると思われます。今後,病院薬剤師がどのように貢献できるのか,各地域・各施設により特色のある取り組みがなされるものと推察されます。日病薬では,薬剤業務委員会を中心として関連する委員会の連携強化を図り,新しい業務への取り組みの実績を収集し,会員の皆様の活動に役立つような形で提供できるよう努力してまいります。

 入院日数が短縮し,入院前・入院中・退院後のシームレスな薬物療法を薬剤師が責任をもって管理するためには,地域における病・診・薬の連携強化は必須であり,同時に日病薬と日本薬剤師会との連携を一層強化していくことも重要だと思っています。

 「薬剤師が居たから医療が変わった!薬物療法が安心・安全で効果的しかも効率的になった!」という評価が得られるよう,『薬を取り巻くあらゆる変化に順応し,適正な薬物療法と患者支援に取り組む薬剤師』を目指し,会員の皆様と共に力を合わせ,病院薬剤師会の発展に全力で尽力致す所存です。 皆様のご理解とご支援を賜りますよう,宜しくお願い申し上げます。


平成28年7月1日





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