この2年間、副会長をはじめとする役員、会員、並びに事務局員のご協力により、なんとか会長を務めさせていただきましたが、この度、代議員会で再選され、もう2年間、会長を務めることになりました。薬剤師にとって極めて大事な時期だと認識しております。病院薬剤師の在り方について長期的展望を明確にしてその具体化のために、会員とともに精一杯務めたいと思います。皆様のご助言とご助力の程よろしくお願い申し上げます。
この2年間の間に日本の医療は急激に変わりました。7割の病院が赤字に転落し、医療体制は疲弊し、患者にとっても皆保険制度が維持できるかどうか危ないなど、医療崩壊の危険が高まった時期でもあります。医療危機を克服する議論のなかで、チーム医療を推進することの重要性が医療関係者の共通の認識になってきました。チーム医療の中で薬剤師がどのような貢献をするか問われています。医療および薬物療法における安全の担い手としての役割が大きくなっています。特に病棟に薬剤師が常駐して薬全体に関与することが医師など医療人からも患者からも評価されています。これもたくさんの薬剤師が病棟における業務を切り開いた結果であり、全国の薬剤師の努力に敬意を表します。
厚労省医政局の「チーム医療の推進に関する検討会」報告書に盛り込まれる内容には、薬剤師の標準業務として処方に関する積極的なかかわりや個々の患者に安全で最適な薬物療法を推進するための副作用モニタリングなども含まれており、新しい展開が求められています。これらは、薬剤師が薬物療法のすべててに責任を持つことが前提になります。そのためには、薬剤師の資質の向上が重要であり、地域格差のない生涯研修が出来る体制も大事です。そのために2010年度からネット上で様々な講習会の講演を勉強出来るe-ラーニングシステム導入計画が進んでいます。勿論、専門性を高める取り組みも重要です。
六年制の薬剤師教育を受けた薬剤師がどのような資質を持っているか医療界をはじめ社会が注目しています。私たちが六年制教育を望み、実現してきたのです。私たちには長期実務実習などにおいて、質の高い教育を分担することが求められています。多くの種類の医療機関を経験することのできる積極的な意味での「グループ実習」と、出身地へ戻って実習を受ける「ふるさと実習」を是非とも実現する必要があります。さらに急速に変わってきた病院薬剤師の役割を反映するようにコア・カリキュウラムの早期見直しを訴えていきたいと考えております。
今期は、新法人制度に移行する時期にあたりますが、これを契機に組織力と事務局体制の強化を図りたいと思います。2010年の診療報酬改定では薬剤師の評価を獲得するために、関係者が一丸になって努力した結果、これまでにない成果を上げることができました。その活動のなかで、組織的活動の重要性と業務が医療に貢献しているエビデンス不足を痛感しました。これからの薬剤師業務の規定する事になる2012年の報酬改定に向けて今回の教訓を基に強力な体制をつくる必要があります。
いずれにせよ、薬剤師の資質向上を前提に、病院・診療所の薬剤師数の倍増、全病棟に専従・専任の薬剤師を配置することを目指し、夢を持てる薬剤師の仕事とその環境をつくり、社会、患者、他職種の医療人から評価される薬剤師のために努力したいと思います。強力な執行体制と会員とのコミュニケーションの強化が必須です。皆様のご協力をお願い致します。
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