プレアボイドとは




プレアボイドとは


プレアボイドとは「 PREvent and AVOID the adverse drug reactions 」の略称です。
病院薬剤師にとって、薬物療法の安全管理職能がわかる言葉として日本病院薬剤師会(以下、日病薬)により創られた言葉です。
日病薬は、病院薬剤師による服薬指導、薬歴管理、薬物療法モニタリング等を通じて患者さんの薬物治療への関わり(以下、薬学的患者ケア)の推進を提唱し、平成11年1月より薬学的患者ケアによる患者さんの安全管理(不利益回避)に寄与した成果報告を “プレアボイド” の呼称で収集(プレアボイド報告制度)を開始しました。
プレアボイドには、薬剤師が副作用を早期発見することで重篤化回避に貢献した事例に加え、薬剤師が職能を発揮して発見した相互作用、投与禁忌などの未然回避や投与量の調節、処方薬の追加提案などを目的とする薬物療法の有効性の確保に寄与した事例が含まれます。
これらのプレアボイド事例は、内容に応じて以下の3つの様式に分けられ、「プレアボイド報告」として全国の病院薬剤師から日病薬に報告されています。

様式1「副作用の重篤化回避」:副作用の重篤化を回避した事例
様式2「副作用の未然回避」 :副作用の発現を未然に回避した事例
様式3「薬物治療効果の向上」:薬物療法の有効性の確保に寄与した事例 ※平成28年4月より収集開始


プレアボイドの概念図





プレアボイド報告の目的


近年、薬物療法はより高度で複雑なものとなってきており、厚生労働省医政局長通知(医政発0430第1号)やがん患者指導管理料3の新設から伺えるように、薬剤師が患者さんの治療に寄り添い、副作用の回避や、目的とする薬物療法の有効性の確保のための処方支援を行うことは、薬剤師の職能として社会的にも求められています。

実際、現在の薬剤師業務は以前と比べて大きく変わり、調剤・服薬指導だけでなく、副作用評価に基づく処方提案、医師が処方する前に薬物療法の設計に関わる処方支援と、薬物療法全体に関与しています(上図)。

プレアボイド報告は、今後の薬物療法の質向上に役立てるとともに、薬剤師が患者さんに貢献したことを証明する重要なデータとして活用いたします。実際に、厚生労働省等に薬剤師職能の説明資料として提出し、病院薬剤師の定員問題、薬学教育6年制、高齢者医療制度など各検討会で資料として活用してきました。
主な内容はこちらをご参照ください。

プレアボイド報告が資料として活用された事例

また、上記の活用の結果、社会的(診療報酬や薬学部教育など)に「プレアボイド」という言葉が利用されるようになりました。
主な内容はこちらをご参照ください。

「プレアボイド」という言葉が利用されるようになった事例

上記のように利用されており、公的にもプレアボイドが薬剤師の本質的業務であることが認知されるとともに、プレアボイドの実践を通じた薬学生の臨床教育が求められています。


プレアボイドに対する取組み


日病薬に、プレアボイド報告制度を管理・運営する医薬情報委員会およびプレアボイド報告の集計実務と報告内容評価を担うプレアボイド報告評価小委員会を設置し、下記の主な取組みをはじめとして、プレアボイド報告の評価・分析・公表・会員へのフィードバックなどの取組みを行っています。

主な取組み
1.プレアボイド報告の利活用に関する検討
2.プレアボイド報告の評価
3.プレアボイド報告優良事例の選定・精査
4.プレアボイド広場の執筆


統計データ


日病薬で平成11年から開始したプレアボイド報告の全体報告件数の年度推移を図に示します。令和5年度時点での累積報告数は61万件を超え,薬剤師の実績を示す貴重なデータとなっています。

図 プレアボイド報告数の年度推移


プレアボイド報告の各年度の統計データはこちらをご参照ください。